【読者メモ】組織を変えるということ
ビールと組織。
何も飲みニケーションを推奨するという話ではなく、アサヒビール元社長の樋口廣太郎氏のほぼノンフィクションの小説
を読みましたという話。
アサヒビールがスーパードライのヒットで一気に業界シェアを逆転した話やその昔、キリンビールのシェアが高過ぎて、独占禁止法に抵触する恐れがあるからテレビCMを打てないという話は聞いたことがあり、個人的にお酒が好きなのでそんな興味のきっかけで読んでみました。
久し振りに興奮できた一冊でした。
それはまさにアサヒビール元社長の樋口廣太郎氏の経営者としての生き様に感化される内容であったからに他なりません。
その昔、低迷ぶりを表して、アサヒビールは夕日ビールと呼ばれる時代があり、社内も社外も諦めモード一色だったようです。
そのアサヒビールを住友銀行の副頭取まで上り詰めて、次期頭取ともくされていた方が、社長として蘇らせたというストーリー。
こういう話を読むと、私だけでなく、皆さんもそうだと思いますが、自分が所属する組織に照らし合わせながら考えると思います。
私自身、今の県庁組織を考えながら、読みました。
そこで感じた点は2つ。
一つは、こんなリーダーがいればという願いに近い思い。
もう一つは、うちでは再現できないという諦め感。
さらにもう一つあるとしたら、自分が変えると思わずに誰かを期待してしまっている自分がいるということ。あー、切ない。。
この樋口廣太郎氏の何が凄かったのかを言語化するのは大変難しいと思いますが、2つだけ言えることがあります。
一つは徹底的にポジティブで、逆にネガティブな噂話や愚痴を排除しているところ。
もう一つは、強引にでも自分がやりたいことに人を巻き込みながらも結果的に人に嫌われず、味方にしてしまう、人たらし力かなと。
これは文字に起こすと簡単なことかもですが、実際に実践するのはとにかく大変なスキルみたいなものです。
当の本人には当たり前のことかもしれないけど、それをやり切れる人はなかなかいない。
こういうとただの浪花節の人か?と思われるかもだけど、情だけでなく、理もあり、そのバランスがとても良い方なのだと。
だから人は動く。
情と理。
このバランスがリーダーシップの要諦。
自分が県庁という大組織を変えることはできるのか。
大組織といっても、課や係に細分化したら、小さいユニット。
まずは目の前の組織から。
着眼大局、着手小局。
人は次第に枠組みの中でしか考えられなくなるというお話
この仕事をしていると、とにかく毎日書類、文書に触れます。
公務員は文書を作り、決裁をもらい、施行するという流れが仕事のルーティン。
とにかく自分の文書や他のメンバーが作った文書を見ます。
書いてあることがわかりやすい文書、逆に分かりにくい文書というのもだんだん分かってきます。
不思議なもので、誤植なんかもすぐ見つけられるようになります。
私は元々、形式的なことはあまり気にしない方なので昔から結構大雑把で、伝われば多少不正確でも問題ないっしょっと思うタイプでしたが、公務員に転身してから正確にやらないと気持ち悪いと感じてしまうようになりました。
そんな自分がすでに気持ち悪いと感じてしまいますが。。
またそんな風に思うようになってから、自分の文書だけでなく、人の文書のミスや漏れなんかもすぐに気付くようになりました。
ほんと、これも一つの職業スキルというか、職業病みたいなものです。
で、何となく日々文書を見ていると、恐ろしいことにはっとなることがあります。
自分の頭が文書に書かれていることの枠組みの中で判断してしまっていることがある。ということに気付くときです。
言うならば、枠組みにとらわれてしまっていることに気付いていないことがあるのです。
本来ならこの文書の目的から、前提が違う、そもそも文書を作る必要もないときだってあります。
些末な文言修正なんてどうでも良くて、もっと目的的に考えたら、枠組みを越えた判断が必要な場合もあります。
改めて、起案一つを見て、理解する、理解してもらうことも大事だけど、どこかで鳥の目で俯瞰して、前提を疑いながら、枠組みにとらわれずに判断できる力を身に着けていかないといけないなぁと感じる今日この頃。
雑感。
凡事徹底。
【読書メモ】1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術(伊藤洋一)
今日は読書メモのテーマは、「伝える」ということです。
読んだ本は、
1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
まず意識してほしいのが、「伝える」と「伝わる」にはとてつもない大きな違いがあることを知らなければなりません。
皆さんもこんなことありませんか。
・説明したことなのに、相手がちゃんと理解していない。
・こちらが想定している行動につながっていない。
・何度も同じことを聞かれる。 などなど
まずは両者の違いについて。
「伝える」
これはある種、一方的な行為で、誰かに対して、何かをただ伝えるだけで成立するものです。相手の理解は関係ないので、相手が理解していなくても、ただ相手に言えば成立することになります。
つまり、伝えたことが相手にしっかりと伝わっているかどうかは関係ないことになります。
ただ、本来のコミュニケーションの本質から考えると、相手に理解されていない状態であれば、伝えたことにはならないと思います。
「伝わる」
こちらの意図や狙いも含めて、コミュニケーションの相手に伝え、相手に必要なアクションにつなげてもらうことが相手に伝わったということになります。
言ってしまうと至極、当然の話ではありますが、よくよく検証してみると難しい話だったりします。
当然、人にはコミュニケーションの癖があります。
他方で、聞く側のスタンスも様々で、同じ言葉の意味合いも受け取る側によっては解釈が異なってしまうことはままあります。
そういったちょっとしたことでコミュニケーションの意図がずれることもあります。
その結果、伝えた側が全く意図いない結果になってしまいます。
私はどちらかというと、コミュニケーション能力が高いほうだと思っています。
自分で言うのも烏滸がましいところではありますが、プレゼンや説明でも分かりやすいと言われることが多いです。
でも、そんな自分でもこのコミュニケーションの罠に陥ることは少なくありません。
それはなぜ起こりうるか。
考えるに、「想像力」の差なんですよね。
その想像力というのは、
・コミュニケーションの意図、狙い
・相手方
・どういったスタイルで伝える
・聞いたあとにどんな行動をとってほしいか
などを突き詰めて考えるということです。
その点が曖昧だと自分よがりなコミュニケーションになってしまいます。
これは自分だけが気持ちのよい状態になっている感じです。。
(自分の基準で言葉を選んでしまう、伝え方にこだわってしまう など)
この想像力がまず前提にあると思っています。
その上でどういった構成で伝えるか、どれだけシンプルな言葉で伝えるか、どれだけ余計な言葉を削るか。等
そのあたりは分かりやすく紹介している本です。
1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
- 作者: 伊藤羊一
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/03/14
- メディア: 単行本
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とても読みやすく、まさにこの本こそが、コミュニケーションの本質をついていて、伝わる本になっていると思います。
この一冊であなたのコミュニケーションレベルが圧倒的に変わるのであれば、とても安い買い物かと思います。
ちなみにコミュニケーションは、ビジネスだけでなく、プライベート含めた生活全般に必要な当たり前のスキルです。
当たり前レベルを上げてこそ、一流のビジネスマンだと考えます。
公務員の仕事術④ 気付き→マニュアル化
◉今日のブログのまとめ
- 仕事の気付きメモ
- 気付きメモのマニュアル化
公務員の仕事は、良くも悪くもある程度は同じ仕事の繰り返しであり、部署が変わり、仕事の大まかな内容、役割が変わっても基本的に行う事務は変わりません。
そのため経験がある程度はものを言うところはあると思います。
やったことがある事務であればスムーズですし、ある程度不安感なく起案することができます。
この経験は部署が変わってもしっかりと自分自身が引き継いでいく必要があります。
こんな仕事昔やったな。
あのときの資料使えるな。
こんなことがよくあると思います。
日々の仕事を経験値にしっかり変えて、今後の仕事につなげる、仕事の精度の上げるために簡単な仕事術の紹介です。
ちなみに私の仕事術は、日々の積み重ねを大切にしているので一つ一つはとても簡単でどなたでもすぐに実践していただけることができます。
何事も日常を積み重ねるという習慣こそが成長への近道だと信じています。
ですので明日から激変するような劇薬メソッドではなく、風邪を引かない身体づくりのための習慣だと思って眺めてもらえると深甚です。
今回は2点。
①日々の気付きメモ
②気付きメモのマニュアル化
まず、①について
日々の仕事をする中で、気付きや次回の改善点などは当然出てくると思います。むしろPDSを回さないと成長できないので良い点、悪い点は必ず振り返ることが大切です。
私の場合、Excelの起案シート(下記のエントリーを参照ください)の中で気付きメモ用のシートを作り、言語化しています。
具体的には、日付、項目(会議、起案、上司対応、他部局対応、企画など)、内容を入力し、一覧化しています。
良い点であれば、次回も再現するために必要なことは残しておきます。
逆に悪い点であれば、今後二度と同じミスを繰り返さないためにメモを残し、改善点を記します。
そして定期的にそれを見て、自分自身へのリマインドとします。
次に②について
①のメモである程度項目ごとにたまってきたら、項目ごとにフィルタリングして、印刷します。
これが簡単な項目ごとの大切な点、注意点をまとめたマニュアルになります。
私は定期的に紙に出力し、ファイルしてたまに項目に係る仕事をしているときに見直します。
それを見たおかげで気付いたり、モレが見つかったりもしており、結構助けてもらっています。
マニュアルは①の溜まり具合を見て、定期的にバージョンを更新していくと良いと思います。
些細なことですが、日々の仕事の積み重ねがあなたの貴重の武器に変わっていくと思います。
記憶力のある方や頭の良い方はメモに残さなくても当たり前のようにやっていることかもしれませんが、私は結構忘れるので(笑)
また日々の仕事の積み重ねを意識する上でもメモの量やマニュアル化が充実していく様を見ると達成感を得て、ロープレの主人公が経験値を積んでレベルアップしていくイメージを重ねて楽しんでます(笑)
公務員の仕事というのは非常に地味であり、人にとってはストレスの溜まる環境だと思います。
その中でいかに成長するか、そのポイントを作るかが個人的に楽しいと感じる、今日この頃です。
自分の気付きを言語化する大切さを教えてくれたのは、
一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法
です。
少し古い本になりますが、今でもエッセンスは全く色あせない内容です。
前職の内定者時代に人事の先輩からおすすめされた本で素晴らしい本に出会うことができたと思っています。
一冊の手帳で夢は必ずかなう - なりたい自分になるシンプルな方法
- 作者: 熊谷正寿
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2004/03/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 12人 クリック: 224回
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【読書メモ】問題解決力という魅力的な能力を身につけたい、そんなあなたへ②
前回のブログの続きです。
問題解決力という魅力的な能力を身につけたい、そんなあなたへ
2冊目です。
問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術
問題解決――あらゆる課題を突破する ビジネスパーソン必須の仕事術
- 作者: 高田貴久,岩澤智之
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/03/06
- メディア: 単行本
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体系的に問題解決について学べる本はこれが最高だと思っています。
結構、前に出た本ですが、学べるノウハウは全く色あせていません。
また、この本の良いところは、ビジネス小説ベースで読めるため、より具体的なシーンを想定して、学べるところです。
色々な問題解決系の本を漁るよりもこの1冊をとにかく読み込んで自分の考え方とする。自分のものにするという感じです。
ある事象も人によっては見えるものが違ったりします。
その切り口が問題解決の差を生むのだと思っています。
ビジネス書は1500円程度です。
これで問題解決レベルが格段にあがるのであれば、かなりコスパがよいと思います。
問題解決の力を身につけたい方はぜひ、読んでみてください。
【読書メモ】問題解決力という魅力的な能力を身につけたい、そんなあなたへ①
今日は、問題解決の力をつけるうえで最適で最高な本を2冊紹介します。
正直、この2冊さえあれば他を読む必要はない!と断言できます。
仕事=問題解決 と言っても過言ではありません!
日々、書類を作り、説明するという繰り返しに謀殺される公務員も多いと思いますが、まず仕事を通して、解決したいことは何なのか?を明確にしたいものですよね。
こんな方にこのブログを読んでもらい、ぜひ紹介する本も読んでもらいたいと思っています。
・何か問題が発生した場合に、クリティカルに問題を解決したい。
・誰もが苦悶する内容について、格好よく最適解を見つけたい。
・問題解決をすることが仕事と思いながらも、日々の仕事をこなすだけになっている。
・問題解決力を身につけたくて、色々な本を読んだり、セミナーに参加したりするけ ど、なかなかものにできない。
キーワードは課題解決につなげるための『課題設定』です。
まずに何に答えを出さないといけないのか。
ということです。
ではまず1冊目です。
有名な本なので読まれた方もいるかもしれません。
ただ、この本は何度も自分の血肉になるまで繰り返し読むべき本です。
この本のポイントは、イシュー=解決すべき課題を明確にすることの重要性とその方法が明確に書かれているところです。
また、努力の仕方についても勉強になります。
とにかく時間をかけることで何とかしている仕事はありませんか?
労働時間が仕事の成果の物差しになっていませんか?
(公務員はそういう意識がまだ強いとは思いますが)
根性でどうにかするというスタンスでは大成はしません。また生産性が叫ばれる昨今において時代錯誤も甚だしいところです。
あなたが今日やった仕事のイシューは何ですか?
もっと言うとイシューの設定をした上で段取りをしていますか?
本当にそれはやらなければならない仕事ですか?今までどおりのやり方がベストなのですか?(自分自身も思うところではありますが)
問題解決の近道は、適切な課題設定。
あなたの問題解決力を劇的に高めてくれる一冊であることは間違いないと思います。
【読書メモ】公務員が刺激をもらう本
読書の習慣があると、日々新たな刺激があり、楽しいものです。
今日のご紹介は、人生の勝算 (NewsPicks Book)
動画メディア SHOWROOMを展開する前田裕二さんの本です。
(近々、第2作目が発売される予定です)
実は発売当初(2017年6月)に購入し、読んだのですが、改めて読みたくなり、再読しました。(最初に購入したものはメルカリで出品したので改めて買いました)
不思議な本です。
本人の生い立ちから事業の立ち上げ、これまでの経緯を紹介している本。
幼少期に親を失い、小学生の頃から路上でストリートミュージシャンとしてお金を稼ぎ、その後外資系証券会社での活躍、DeNAでの苦悩、今に至る流れなどが赤裸々に記されています。
とにかくとんでもなく苦労し、とんでもなく努力をして、今、そしてこれからを作っている人であることが分かります。
ただ、どうしてもこの手の成り上がり系の本って、「すごい!」と感心するものの、自分にはまねできないと思ってしまったり、どうしても著者の自慢などがあり、少し嫌みを感じたりするところがあるけど、この本にはそういった思いを感じさせず、自分も頑張らねば!と奮い立たせてくれる言葉があります。
それがなぜなのか?を考えることがこの本の最大の価値なのかなと思っています。
思うに、とにかく自分に降り掛かる出来事を他責にせずに、自責で捉えていること。
そして、自分がコントロールできることに対してはとにかく最大限の努力をして、結果にコミットすること。
極端な話、誰でも意識できること、やれることを徹底している。
ただ、その徹底ぶりがえげつないんだなと。
・与えられた環境から逃げない(他責にしない、当事者意識を持つ)
・できることに集中し、徹底的に結果を求める(徹底的に徹底する、コミットする)
できるようでいて、できない。
だからこそ難しい。
でも、頑張れば前田さんのような人生を描けるかもしれない。
そんな頑張ろうと思っている人を応援する前田さんのスタンスも素敵だと思う。
民間にいた身としては、非常に仕事への向き合い方など、共感できる部分がほとんどでした。
公務員の人にはあまりピンとこないのかもしれませんが、公務員としても、他責にせず、自分の仕事にフルコミットして、良い仕事をしたいものです。
ぜひ、まだ読まれていない方はご一読ください。
また、2作目は、メモの取り方についての内容だそうで、これはこれで事務作業を生業とする我々には楽しみな本です。
死ぬこと以外かすり傷というスタンス
公務員の方こそ読むべき一冊。
一見、めちゃくちゃなタイトルでかなり刺激的ではありますが、一見の価値ありです。
数年前からTwitterなどのSNS上に現れた、幻冬舎の編集者、箕輪さん。
最初は何者なのかなと思って、やや眉唾ではありましたが、この人、本物だと思います。
エキセントリックな行動という、目に見える結果にだけ注目してしまいがちですが、出版社の編集の仕事の枠を越えたこと、編集という仕事を時代に合わせて、【再定義】したことに大きな価値があると思います。
極端に言うと、本を作るだけでなく、企画から売り方、著者の巻き込み方など、いつの間にかファンを作り、ファンが自走して、良い意味で勝手に行動しちゃう。
そんなコミュニティのあり方に目を付けたところにこの人の価値があると思います。
今、コミュニティについて勉強しているのでこの人の凄みの一端がよく分かります。
公務員としての今の仕事を再定義する。
挑戦しないことの我慢を続ける公務員で良いのか、今の時代に合わせて、公務員の仕事をアップデートしていきたいなぁと思います。
業種は全く異なりますが、周囲を巻き込み、仕事を大きくしていくことは公務員にも求められる仕事。
自分だって、できることがあると信じて、これからは死ぬこと以外かすり傷というスタンスで仕事に挑みたいものです。
視察という病。
◎今日のブログのまとめ
事例を参考にすることの意味をはき違えてはいけないという話。
数日前にネットにあがった「地方を滅ぼす視察病という申告な病気」という記事。
これはなかなか、公務員からすると「あるある」な内容でした!
私は民間企業から公務員の世界に入りましたが、まさにこの記事にあるように行政の世界は特に先行事例を学ぶことに熱心です。
そのこと自体はとてもいいことだと思いますが、ままあることとして、先行事例を知ること、外形的に真似ることそのものが目的化してしまっているところがあります。
私が経験した部署ではありませんでしたが、分かりやすい事例だと先進的なハード施設(市民に開かれた市役所や機能的な文化ホールなど)を見に行く視察などは確かによくあることだと思います。
対応する方は、きっと同じ話を何度も説明していることでしょう。
でもきっと視察した後に、自分たちが持ち帰って、実際に何かしらに反映されたのでしょうか?そのときは感心して、帰るけど、結局、何も自分たちの行政にはつながらない。きっとそんなことはたくさんあると思います。
もちろん、刺激としてその後の仕事にインスパアされていることもあると思うので一概に、そして明確に視察が役立ったと証明することは難しいものもあります。
また、役立てたと言っても、そのまま同じような建物を自分たちの地域に作ったとしても結局は自分たちの街に先行事例と同じような建物が建つだけで、確かに多少話題になることはあっても、差別化はされないため、結局は先行事例が生き続けるのです。
結果であるアウトプット(ここでいう建物)だけを真似たところで、二番煎じ以外の何者でもなく、差別化はできないということです。
その最たるものは、ゆるキャラの乱立なのかなと思います。
没個性的にゆるキャラというアウトプットだけを真似るため、PR効果の乏しいゆるキャラだけがひたすら増えていく構造があります。
物事には何事も思想や狙い、過程があります。
私はその背景にある思想や過程にこそ、視察で掴み取ってくるものだと思っています。
そこが分からないと、単純に外形的に真似るだけだし、そもそも何らのアクションにつながらないのかなと思います。
例えば、ゆるキャラの成功例である、くまもん。
これはゆるキャラそのものが秀逸だったわけでなく、その背景や狙い、過程という連続性や拡大性にこそ、妙があったから成功したのではないでしょうか?
そこを抽出して掴み取らないと、目に見えることしか再現できません。
要は、なぜうまくいっているのか、そこには美しいストーリーという背景、過程があるものです。
そういったものを抽出し、成功を別の切り口で再現できる公務員になりたいものです。
この記事の作者はいくつも地方創生について本を書いています。
私も読んでみたくなりました。
【民間から公務員を目指す方へ】志望理由のまとめ方・考え方について
◎今日のブログ
社会人経験のある方で今後公務員を目指す方向けに志望理由のまとめ方・考え方についてご紹介します。
面接対策等の一助になれば幸いです。
◎環境の変化
社会人経験のある方で公務員を目指す方は今後どんどんチャンスは増えると思います。
なぜなら、国が企業や組織に固定化されずに自らキャリアを作っていくことを求めているからです。要は自分で自分の面倒を見てね。という意味合いでキャリア論とつながって話をしている節があります。
ただ、国の方針として、そういった考え方があり、企業などの中途採用の活性化についても言われています。
今後、間違いなく、民間から公務員、また公務員から民間という流れは加速することは間違いないと思います。
そのためにはお互いが移動しやすい環境を作っていく必要があります。
雇用体系、給与、待遇、キャリア形成、人材レベル等、ある程度公務員、民間問わずにフラットになっていくように感じています。
断言しますが、民間企業経験者の公務員への門戸は拡大の一途を辿ります。
採用枠が増えると思いますし、入庁後も民間経験者が多い状況になると思います。
ぜひ、民間での経験を生かしながら、既存の公務員のやり方を改善してくれる方が多く公務員の世界で活躍してほしいと考えています。
◎志望理由のまとめ方・考え方(今回のブログの本題)
私も相談を受けることがありますが、志望理由のまとめ方・考え方について悩まれる、社会人の方が少なくないと思います。
今日はその点のヒントになりそうなことを書きたいと思います。
まず、あなたの就活を思い出してください。
よく、自己分析と企業分析と言われたと思います。
中途採用においてもこの部分は重要です。
特に自己分析は重要です。
・自己分析について
これについては、とにかく言語化することです。
面接でよく聞かれることをベースに自分の答えを実際に言葉にします。
これについてはとにかくノートに書き連ねてください。
そして自分の書いた答えについて、なぜ?と気になることを深堀りしていってください。これについても同様にとにかく書き出すのです。
自分しか見ないノートですので体裁は気にせずにとにかく思いを言語化することです。
頭に思っていることでも実際に言葉に書いてみると結構と抜け漏れがあることに気付きます。また矛盾していたり、論理のつながりがない点、弱い点が分かります。
自分がなぜ公務員になりたいか?という観点よりも、面接官としてはどういう思いを持った人がどういった仕事を経験し、その経験を公務員としてどう活用しようと考えているのかを知りたいのです。その上で合否を判断します。
最終的にはそのつながりをまとめる必要がありますが、まずは自分のこれまでの仕事の振り返り、棚卸しの意味合いで仕事を言語化してください。
・企業分析について
これについては、民間ほど必要ではありません。
なぜなら、役所はあらゆる業種の企業の集合体のように様々な業務を扱っています。そのため、自分の経験がいかせそうだと思う業務はいくらでも見つかります。
役所のHPなどでチェックした方が良いのは、各役所が課題を感じているテーマについて知っておく事です。
ただし、これについてもだいたい地方の課題は共通しているところが多いです。
このあたりの役所が課題としているテーマに合わせて、自身の経験を活用するという話であれば役所の人事へのアピールとしても効果的です。
自分であればどういった打ち手を打つかなどについても答えられるような準備も必要です。ただし、具体的な既存の事業ややっていることがわからず、より正確なことは言えない場合もありますが、あくまで覚悟があるという意味合いで想定問答を用意しておけばよいかなと思います。
・WILL・CAN・MUSTという考え方
前職で使っていたスキームですが、ご自身の仕事を棚卸しする上で有効なフレームかなと思います。
ぜひ整理する際に使ってみてください。
WILL
全て文字通りの意味ですが、これは意思です。
仕事を通じて、自分の意志を実現したいわけですから、自分にとっての意思は何なのかを明確にする必要はあると思います。
CAN
これは、できることですね。
仕事の経験を通じて、どんなことができるのか、スキルがあるのか、資格があるのかなどのことです。この領域を膨らませることで自分のWILLの実現につながるわけです。
MUST
これは、やらなければならないことです。
当然、自分がやりたいことだけをやって給料をもらうわけではないので、目の前にはやりたくはないけど、やらないといけないこともあります。
ただし、そういった仕事でも細かく分けると様々な要素で構成されています。
(例えば、ひとえに営業といっても、見込みを見つける探客、アプローチをするフェーズ、提案、クロージング、納品など、工程をいくつも分けることができます。営業に苦手意識がある人は、どの工程に苦手意識があるのかを整理する必要があります)
要素を分解すると、苦手、得意、普通などと分けることもできるかと思います。
より得意分野を伸ばして、CANを広げるという形もありですし、苦手としている分野を少しでも改善できればより強みが伸びるなどもあるかもしれません。
日々の業務をただ嫌々やるのではなく、要素分解などをして、CAN・できることを広げることが大切だと思います。
そういった切り口でまずはご自身の仕事を整理されてみてはいかがでしょうか?
場合によっては、今の仕事でより高みを目指すという結論もあると思います。
どうしても転職モードになると転職ありきになりますが、今いる環境で改善できることであればその方がスムーズに移行できることもあります。
結論としては、民間企業経験者の場合は自身の経験と役所の課題のリンクをどう説得力をもって説明することができるか、だけだと思います。
あなたの立派な経験は必ず活用できます。
頑張ってください。
その他、質問などがあれば、コメントやまたツイッターのDMなどでご相談ください。
◎参考図書
この手の考え方は、リクルートがかなり進んでいると思います。
人のキャリアに携わる企業なので、自分たちの社員のキャリアへの意識も非常に高いと感じます。
リクルートの すごい構“創"力 アイデアを事業に仕上げる9メソッド
- 作者: 杉田浩章
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【読書メモ】仕事の技法(田坂広志)
通勤時間を利用して、毎日1時間弱の時間を読書に当てています。
毎日、決められた時間の中でしっかりと本の内容を吸収したいと思えるので良い習慣かなと思っています。
結婚、育児などのライフスタイルの変化が生じると、自分自身の時間というのは非常に限定されます。
独身時代がいかに自由であったかと思い、もっとあれもこれもやれば良かったと少し後悔することもありますが、後悔先に立たず。
日々、自分の時間の向き合い方を大切にしています。
もともと読書は年間100冊以上は読む位、習慣化されていましたが、最近は新しい書籍は月に1〜2冊程度で、ほとんど過去に購入した書籍で自分が良いと思った本を何度も読み返すようにしています。
毎月特定のテーマを持って、力をつける目的で特定の本を繰り返し読んだりもしています。筋トレと同様に読書も鍛えたい力を意識して読む事で吸収率が違うように感じます。
そんなこんなで最近、久し振りに取り出した本が、標題の田坂広志さんの
表紙にもあるとおり、「相手からの言葉以外のメッセージを感じ取るこの一つの技法を身につけるだけで仕事力は、圧倒的に高まる」ように感じています。
前職で営業を経験していたためか、経験的に人の表情、言葉、仕草等は気にするタイプで、相手の言葉の真意などを想像することは比較的できているかなとは思っていました。ただ、公務員に転身してから、基本的に庁内の方とのやり取りが大半でしばらく忘れていた感覚のような感じがします。
むしろ、レク(上司に説明すること)ではあまり課長や部長、その上などの顔はあまり見たくもありません笑。
ただ、正解のないような問題に立ち向かうときに、言葉などから言葉以外のメッセージをつかみ取る力は改めて大切などと感じています。
自分の仕事力を高めるために、想像力を豊かに高めていこうと思っています。
公務員の副業解禁について
◎今日のブログのまとめ
・公務員の副業ってどうなの?
・これからの公務員の働き方
公務員の世界でも「副業」が熱を帯びてきた感があります。
こんなイベントも ↓ ↓ ↓
https://www.businessinsider.jp/post-172856
私の所属する県庁ではまだあまり・・・ですが、いずれ国、地方とこの流れは出てくると思います。
個人的には大賛成です。
どんどん解禁してほしいです。
民間経験があるかもですが、それなりに副業としてやりたいことは幾つかあります。
公務員の業務につなげる貴重な経験を積みたいという思い、様々な人とつながりたいという思いがありますが、当然、価値を提供した上でしっかりとお金も稼ぎたいと思っています。
※お金を稼ぐことは悪いことでもなく、そもそも価値を提供し、それを価値だと感じてくれる方が対価としてお金を払ってくれるわけですので、お金を稼ぐということは多くの方に価値を提供しているということができます。
(もちろん、悪いことをして、だましてお金を稼ぐことは言語道断ですが)
公務員が副業するメリットは幾つかあります。
①腐っても公務員ということで公務員への安心感がある。
世間の公務員のイメージはともかくとしても、特に地方では公務員への信頼感はあります。お金を借りるうえでも、地方では公務員が最も信頼感がある職業の一つと言っていいと思います。
そのため、何かを始めるにしても、仲間を集めるにしても、とっかかりとしてはある程度スムーズに入ることができます。
また、私が特に感じるのは、公務員という立場であれば、ある程度、誰とでも会う事ができると思います。やや言い過ぎですが、公務員の名刺は結構使えます。
私が今後、本格的に副業を始める場合は、公務員の安心感は最大限活用しようと思っています。
②時間がある。
公務員は基本的には土日休みで、平日も17時頃で終わりです。当然忙しい部署はありますが、働き方改革は全体の残業代を浮かせることで財政負担を緩和するという延命措置でもありますので、今後どんどん人件費がかからないような力学が働き続きます。
そうすると、定時上がりできる公務員が増えます。
土日も休みなので、基本的には仕事以外の時間を多く取ることができる大きなメリットが公務員にはあります。
③残業代が稼げなくなる。
②で示したとおり、残業は減り続けます。(マクロで見ると)そうすると残業代の収入が減ります。ということは公務員の年収はダウントレンドになります。
稼がないといけないですね。自分のためにも、家族のためにも。
こういう状況ですので、副業解禁に向けて、準備することは必須なのです。
公務員副業解禁の時代は、言うならば、稼げる公務員と稼げない公務員の差別化を進めます。稼げるというのは、金銭的という意味だけでなく、人とのつながり、経験から本業に影響を与えるポジティブなものも含めての意味合いです。
いざ、解禁してからの準備では遅いのです。
私が副業として進めたいことは今度またご紹介したいと思います。
ちなみに不動産投資はあまり考えていませんが笑、ありがちなパターンかなとは思います。
公務員の面談・異動について
◎今日のブログのまとめ
・公務員の年1回の面談
・公務員の異動の方法(公募制人事)
1 公務員の年1回の面談
今回は、公務員の中の異動などのルールについてご紹介します。
あくまで私が所属する県庁の話ではありますが、ある程度、どの自治体でも運用されている話なのかなと思います。
毎年、秋の恒例イベントとして、所属の課長や課長補佐との面談があります。
内容は、今の仕事の自分自身の評価(向いてる、向いてないや仕事の量多い、少ないなど)や今後挑戦したい仕事などについて話すものです。
時間としては、一人10分程度。異動が近い場合(今の部署に3,4年いる場合)は、もう少し長くなったりしますし、逆に異動で来た年は5分位で終わったりします。
そのため、対応される時間で何となく来年の異動の状況がわかったりするものです。
正直、人事のメカニズムが分からないので、どの程度この面談が考慮されるのか、謎ではありますが、面談などを経て、所属している課として、誰を異動リストに載せるかなどを課長と補佐が決めるようです。
また、この異動リストに載ったとしても、当然異動できないこともあるし、逆に異動リストに載ってないけど異動できる場合もあるようです。
例えば、新採用は2年で異動するなど、各自治体で暗黙のルールのようなものがあります。
少しずつこの時期になると皆さんソワソワ、フワフワとしてきます。例年、3月中旬頃が異動の内示の時期なのでその頃は皆さん心ここにあらずという感じですね。
ちなみに、やや脇道にそれますが、成果が見えにくいゆえに評価も見えにくい役所の世界では、ある意味で人事が全てになります。
いつも忙しい部署というのは、仕事が多く、大変だけど、重要な部署であり、それに耐えられ、乗り越えられる人材が行くことになります。それはまさに、仕事ができる!と人事が評価しているということです。
人は皆、大変だと思いながらも、重要な部署に配属されたことを意気に感じて頑張るのかなと思います。
それだけ人事(配属)は評価ということなのです。
2 公務員の異動の方法(公募制人事)
また、通常の異動とは別に、公募での人事もあります。
民間企業でもよくあるパターンで、いくつか募集のある課から自分がチャレンジしたいと思えば、手を挙げることができる制度です。
応募したことはありませんのでどの程度、意向が反映されるのか、分かりませんが毎年少なからずこの制度を利用して異動している方もいます。
ただし、募集している課は、だいたい、多忙を極める、調整が面倒、等、かなり癖の強い部署がラインナップされるため、なかなか、そもそも行きたいと思う人が少ないのかもしれませんが。。
一応、各人の希望を考慮する人事の異動のパターン、道は用意されています。
簡単ですが、私が今の県庁で感じる、公募制人事のデメリットを挙げたいと思います。
①行きたいと思える部署が少ない。
これはそもそも行きたいと思える部署が募集していないということです。
正直、誰も行きたがらない部署がエントリーされていて、つらい部署の見本市のような存在になってしまっています笑。しかも当然毎年のように同じ顔ぶれなわけです。そりゃーあんまり行きたくないですよね。。
あと、こういう部署に適当に社会人枠採用の人間を安直に当てはまるのもやめた方がいいとも思います。
②公募制人事の結果で異動した人だと分かってしまうこと
毎年度、どの部署に何名、公募制人事で異動したかが、オープンになりますが、これは個人的にはよくないなぁと思います。
個人名までは出ませんが、何となく特定することはできます。
様々な理由、事情で新しいところへチャレンジしているでしょうし、この制度を使うことで元々いた部署には若干、申し訳なさを感じてしまうように思います。(私だけでしょうか?)
別に今の部署が嫌というよりも、ポジティブにより自分の経験、志向が生きる環境で仕事をしたいと思う人もいるわけです。
このあたりをオープンにすることが、人事の嫌らしさを感じてしまいます。(昨年度●名という表現だけでいいように思います)
それよりも応募者○名、決定者○名で割合を出した方がいいように思います。正直この制度は選考プロセスが不明瞭なので、このあたりの数字で難易度を見定めたいところでもあります。
人事にこそ、オープンネスとフェアネスが求められるところかなと。
各人の強みを活かす方針、組織運営を目指す人事になってほしいし、このあたりは現場から変革するのはとっても難しいので、知事あたりのリーダーシップに期待したいところです。でもこのあたりをうまく動かせるのは民間出身知事のような気もします!
民間の経営者を経験した人が知事になる、あるいは知事に近い立場でサポートするというような仕組みがよりできることを期待したいと思います。
(上にゆだねるのはあまり良い案ではありませんが、正直、公務員しか経験していない人と民間経験者ではこの手の人事の思い切りは違うと思います)
より強みを活かす人事へ。
私も何らかの形で人事に関与する日がきたら、まず私自身がかんじる違和感をもとに、働きやすい環境、一人ひとりがより力を発揮しやすい環境ができればと思います。
サイバーエージェントの曽山さんの取り組みは大変参考になるし、こういった組織が日本により多く生まれれば、日本の現場はより活性化すると思います。
なかなか、役所には導入しにくいことも多いですが、社会は変わるし、公務員の世界もスピードは遅いかもしれないけど、少しずつ変わってきています。
民間企業から地方公務員に転職して収入激減した男の結論(仮)
◎今日のブログのまとめ
・民間企業から地方公務員に転職した際のメリット
・民間企業から地方公務員に転職した際のデメリット
先日、地方銀行から地方公務員に転職した人のインタビュー記事をネットニュースで拝見しました。
内容は概ね、共感できる内容であり、「みな、同じようなことを気にしているんだなぁ〜」と感じるものでした。
この記事に触れて、私自身も感じるメリット、デメリットを挙げてみたいと思います。
◎前提
私は東京本社の総合情報サービス業種の最大手企業に新卒で入社し、約10年間勤務し、故郷の県にUターンして、県庁で地方公務員として勤務しています。
当時、年収は約900万円でした。30歳代前半でその程度の給与をもらっていたのでかなり一般的には高給の方に入る環境だったと思います。
元々、能力主義が強い企業のため、給与ベースは普通の民間よりも高いと思います。ただし、当然その分競争環境は激しく、常に給与が上がり続けるということではなく、業績次第では下がるリスクもあります。
東京在住で妻(私と同郷)と二人で暮らしていました。
◎Uターンの経緯
いずれは私も妻も地元に戻って仕事をするつもりでいました。
前職の採用面接でも、「いずれは自分の地元に戻って、自分で事業をしたい」ということを言っていました。
入社後、全国組織のため、いくつか転勤を経て、最後は本社で極めて優秀な上司、同僚、後輩とともにかなりハードな仕事ではありましたし、求められる業績、期待も大きい中でプレッシャーを感じながらも、仕事自体にはやりがいを感じていました。
一方で、かなりハードな仕事でもあり、この先ずっとこういった環境で働くのは大変かなとも思っていました。業績次第でどんどん上に行ける魅力もありながらも、非常に優秀な人材が集い、日々切磋琢磨し続けられるのかなという不安も間違いなくありました。また出張も多く、体力的も結構しんどいかなとも感じることもありました。
ただ、仕事自体には全く不満もなく、人間関係で悩んだこともないぐらい素敵な企業でした。誰もが知っている大手企業であり、その企業の一員であるという誇りも大きかったのかもしれません。
30歳をすぎて、少しずつ地元での勤務を意識し初めていた頃に、県庁の社会人枠の試験が東京で開催されると聞いたので、最初は物見遊山程度の気持ちで受けにいきました。何度か選考を重ねる過程で、そもそも学生時代に国家公務員を目指して勉強していたことや父親が公務員であったことなどを思いながら、次の仕事は公務員というやり方も悪くないのかなと思いました。
もちろん、地方で働くことで、給与は必ず下がると覚悟していましたのでそこまで収入激減については気にしていませんでした。
◎地方公務員に転職したメリット
・自分への投資できる時間が多い。
土日完全休みで平日も基本的には定時で帰れる。これはデメリットだとも思っていますが、基本的に公務員の仕事は暇です。(笑)だから正直に言うと、仕事そのものにやりがいを見いだしにくいことは事実としてあります。ただし、仕事を家に持ち込むこともありませんし、土日は子供や家族との時間に使えます。
また、友人や何かしらのコミュニティに所属して、仕事以外の分野で外部と接点を作る活動への時間の捻出ができます。そういった仲間を見つけるのは東京の方が楽ですが、時間があるというのは大きなと思います。
自分で資格の勉強をしたり、読書をしたりという時間を取る事ができるのはとても大きいです。
・仕事へのプレッシャーをあまり感じない。
こういうと怒られそうですが、前職に比べると圧倒的に仕事が楽です。基本的にはデスクワーク中心ですし、淡々とやれます。ここはデメリットでも紹介はしますが、結構バリバリの営業環境で仕事をしてきたものからすると、周りの仕事のスピードも決して早くないし、生産活動をしているわけでもないので仕事のプレッシャーで夜も眠れないとか、憂鬱だと感じることはほとんどなくなりました。
と同時に仕事へのやりがいも感じることが極端に減ってしまいましたが。
幸い、Uターンしてから、就寝中の歯ぎしりや寝言などがほとんどなくなったと妻から言われるのである程度、プレッシャーを感じずに日常を過ごせているのかなと思います。
・足るを知るということ。
一番つらかったのは、給与がほぼ半分近くまでになりましたので(年収ベースで900万から600万弱に激減)生活水準を落とすことが一番つらかったです。(汗)
ほぼ毎日夜は飲み歩いて、結構安くないお店を使っていました。戻ってきてからも数年はその癖が抜けず、友人などと一緒に今までの水準で飲み食いや買い物をしていました。そのため数年で本当に貯金を減らしてしまいました。。。ここは大きな反省点ですが、家族も増えて、自分が小遣い制になり、ようやく自分の生活水準を身の丈にあったところまで持ってきつつあるかなと思っています。
それでも普段生活する上では支障はないですし、飲みに行く機会も本当に少なくはなりましたが、自宅で飲んだりと、自分なりにリラックスできる方法が身に付いてきたかなと。そういう意味でUターンで年収が下がることを懸念する人も少なくないと思いますが、生活する上でのコストも東京よりも安く抑えられるし、お互いの両親が健在なので、子供の面倒、子供への投資、私たち家族への投資なども両親が金銭的、非金銭的にも支えてくれるところもあります。
ある意味で地方の生活を楽しみという意味での足るを知るということかなと思っています。
◎地方公務員に転職したデメリット
メリットに挙げた裏返しかなと思います。
とにかく年収ベースを下げたくないのであれば、そういった環境で働くか、独立・起業などをしないと難しいかもしれません。
とにかく競争環境の激しいところで仕事にもまれて、自分の市場価値を高め続けたいという方は、まだそういった環境が揃っている地方の企業は少ないと思います。
私自身は、自分が生まれ育った環境で、子供を育てたかったという思いがあります。また田舎で生まれて長男として、やはり地元をないがしろにはできないなという思いもありました。古くさい考えかもですが、田舎生まれの人であれば多少共感いただけるのかなとも思います。
一番しんどいのは、公務員の仕事があまり面白くないということですかね。(笑)
仕事を通じて、成長したいと思っている人がほとんどいない、共感できる仲間があまりいないというのもかなりしんどいところではあります。(泣)
ただし、仕事は自分のこだわり方一つでいくらでもやれる余地はあるし、(例えば、大昔から使っている、見づらい資料を分かりやすく改変したり、仕事の進め方をシンプルにしたりなど)、県庁の名刺があれば、だいたいの人とは会えたりできるので、使いようかなと。いくらでも仕事を面白くできる余地はあるかなとも思っています。
Uターンして、5年。
子供もできて、家族も増えました。
孫の成長を楽しみにしてくれる両親も健在です。
気の合う仲間と仕事以外で様々な試みができたりしています。
地元の素敵な自然、美味しい料理、お酒があります。
あとは本業の仕事をもっと楽しめるような状態をいかに作れるか、かなと。
今までは、人が作った環境から与えてもらっていたのだと思っています。
自分には過分すぎるほど、多くの経験、知識、お金をくれました。
これからの20年は、いかに自分が周りに与えるか、よい環境を作れるかだと思っています。
やったります!
稲盛さんの言葉がしみます。20代の頃はまったく響かなかっただろうな。(笑)