民間企業から地方公務員に転身した人のブログ

民間企業から地方公務員(県庁)に転身した男が、日々遭遇する違和感に苛まれ、また気付きを得ながら悪戦苦闘している様をご紹介します。記事内容は、#仕事術 #転職 #就職 #キャリア #公務員の仕事 などを中心に紹介しています。

視察という病。

◎今日のブログのまとめ

事例を参考にすることの意味をはき違えてはいけないという話。

 

数日前にネットにあがった「地方を滅ぼす視察病という申告な病気」という記事。

これはなかなか、公務員からすると「あるある」な内容でした!

toyokeizai.net

 

私は民間企業から公務員の世界に入りましたが、まさにこの記事にあるように行政の世界は特に先行事例を学ぶことに熱心です。

そのこと自体はとてもいいことだと思いますが、ままあることとして、先行事例を知ること、外形的に真似ることそのものが目的化してしまっているところがあります。

 

私が経験した部署ではありませんでしたが、分かりやすい事例だと先進的なハード施設(市民に開かれた市役所や機能的な文化ホールなど)を見に行く視察などは確かによくあることだと思います。

 

対応する方は、きっと同じ話を何度も説明していることでしょう。

 

でもきっと視察した後に、自分たちが持ち帰って、実際に何かしらに反映されたのでしょうか?そのときは感心して、帰るけど、結局、何も自分たちの行政にはつながらない。きっとそんなことはたくさんあると思います。

 

もちろん、刺激としてその後の仕事にインスパアされていることもあると思うので一概に、そして明確に視察が役立ったと証明することは難しいものもあります。

 

また、役立てたと言っても、そのまま同じような建物を自分たちの地域に作ったとしても結局は自分たちの街に先行事例と同じような建物が建つだけで、確かに多少話題になることはあっても、差別化はされないため、結局は先行事例が生き続けるのです。

結果であるアウトプット(ここでいう建物)だけを真似たところで、二番煎じ以外の何者でもなく、差別化はできないということです。

その最たるものは、ゆるキャラの乱立なのかなと思います。

没個性的にゆるキャラというアウトプットだけを真似るため、PR効果の乏しいゆるキャラだけがひたすら増えていく構造があります。

 

物事には何事も思想や狙い、過程があります。

私はその背景にある思想や過程にこそ、視察で掴み取ってくるものだと思っています。

そこが分からないと、単純に外形的に真似るだけだし、そもそも何らのアクションにつながらないのかなと思います。

 

例えば、ゆるキャラの成功例である、くまもん。

これはゆるキャラそのものが秀逸だったわけでなく、その背景や狙い、過程という連続性や拡大性にこそ、妙があったから成功したのではないでしょうか?

そこを抽出して掴み取らないと、目に見えることしか再現できません。

要は、なぜうまくいっているのか、そこには美しいストーリーという背景、過程があるものです。

 

そういったものを抽出し、成功を別の切り口で再現できる公務員になりたいものです。

 

この記事の作者はいくつも地方創生について本を書いています。

私も読んでみたくなりました。

 

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