公務員の仕事術② 情報の一元化と見える化
公務員は、定期的に異動がありますが、その課、係の担当事務の内容はあまり大きくは変わりません。
つまり、同じような仕事を定期的な人事異動を経て、担当者が代わりながら担うため、引き継ぎは非常に重要となります。
引き継ぎに不足などがあると新しい部署にいってからも質問などの対応が入り、スムーズに新しい部署での仕事に入れないなどのデメリットがあります。
ただし、どうしても人事異動が決まってから、本腰を入れて、引き継ぎ資料などを作ることが多く、バタバタしてしまうことはよくあることです。
ですので、常に仕事をしながら、その都度振り返り資料をまとめて、情報を整理しておくことが、すなわち引き継ぎにつながっていきます。
狙いとしては、引き継ぎ作業をゼロにすることにあります。
そこで、重要なのが、2点。
①事務ごとに振り返り資料を仕事の完結時に作成しておくこと。
②紙資料保存ファイルに、細かいやりとりなども含めてメモなどに残して見える化しておくこと。
極めて当たり前でそんなことやっているよ!という話で恐縮ですが、実は細かいところまで含めると徹底できていないケースが散見されます。またその細かいところの漏れが意外と後々の手間につながったりということがあるため、要注意なのです。
まず①について、これは仕事の完結時に必ず文書に残して、成果、課題の振り返りをまとめておくことです。その他に、起案一覧、関係者の連絡先などをまとめた関係者一覧、仕事の目標、ゴールなどを1〜2枚程度にまとめると次年度の仕事の仕掛かりが非常にスムーズになります。
また、ここでまとめておくことで引き継ぎ資料にもなりますし、コピペなどでスムーズに書類を作成できます。
作成する際には、あらかじめワードなどでテンプレートを作成しておくと便利です。
次に②について。
公務員はとにかく紙、紙、紙で仕事を残します。お馴染みのファイルに事務ごとに整理されています。この辺りは公務員の素晴らしいと感じる点です。判断のエビデンスをしっかりと残しておくことは行政としては当然ではありますが。
そのファイルの使い方としては、可能な限り情報を一元化しておくことが肝要です。作成した資料、提供された資料はもちろん、関係者の名刺、メール画面の印刷などとともに、文書化はしていないけど、実施にあたり行ったやりとりなどを付箋などでしっかりと残しておくことです。どうしても細かい点までは残していなくて、結局前任に確認するということになりかねないので可能な限り残す。
例えば細かい話ですが、借用した備品のサイズや依頼先、依頼日時、依頼時のやりとりなども残しておくことで余計なことに確認時間がとられなくて良いです。
またその際に意識するのは、後任が初見で見たときにわかる内容になっているかという点です。どうしてもわかっている現任の判断では甘くなってしまうことがあるので、あくまで第三者の目線で分かりやすさを判断してほしいと思います。
仕事の都度、振り返ることで自身の仕事の精度も上がりますし、それが結果的に引き継ぎにもつながるわけです。引き継ぎが上手い人は仕事ができる人かなと思いますしね。
当たり前の話ではありますが、凡事徹底ということでまとめさせてもらいました。
意外と振り返りが言語化されていないことが少なくはありませんし、後任から愚痴を言われないようになるべく分かりやすく見える化しておきたいですね。